ケニアで働く和橋のブログ

ケニアの首都ナイロビにて、スタートアップ企業の事業を立ち上げ中。アフリカでのビジネスや生活を書き綴ります

ケニア、アフリカへ渡航する際の予防接種

今日は予防接種を受けに国立国際医療研究センターへ行ってきました。今日で2回目です。アフリカに渡航する際には、いくつか打っておいたほうが良い予防接種があるので、以下にまとめてみました。

予防接種の種類によっては、抗体ができるまでに複数回に分けて打つ必要があります。また、短期間に打てるものではなく、一定期間を置いて打つ必要があるものもあるので、少し余裕を持って準備したほうが良さそうです。例えば、A型肝炎B型肝炎狂犬病は6ヶ月以降後に3回目を打つ必要があるので、半年以上前から渡航が確定していない僕のようなケースだと、一時帰国時に3回目の予防接種を受けることになります。 

A型肝炎

流行地域に1ヶ月間滞在した場合の感染確率:3,000人に1人

リスクの高い地域:アフリカ、南アジア

感染経路:感染者の便等で汚染された飲食物の経口摂取

対象者:流行地域への長期滞在者、衛生状態の悪い国・地域への渡航者

有効期間:5年以上(10〜20年)

接種方法:1回目 初回、2回目 2〜4週間後、3回目 6ヶ月以上後

特徴:食べ物で感染するため、予防が難しい

 

B型肝炎

流行地域に1ヶ月間滞在した場合の感染確率:20,000人に1人

リスクの高い地域:サハラ以南アフリカ、アラスカ、東南アジア、中国、太平洋諸島

感染経路:感染者との接触、血液・体液に曝露、母子感染

対象者:流行地域への長期滞在者、職業上、血液に触れる可能性のある医療従事者等

有効期間:3回接種で抗体が陽性になれば5年以上(10〜20年)

接種方法:1回目 初回、2回目 4週間後、3回目 6ヶ月以上後

特徴:世界で年間60万人が死亡、3億5,000万人の持続感染者

 

狂犬病

流行地域に1ヶ月間滞在した場合の動物により怪我をする確率:1,000人に1人

リスクの高い地域:アフリカ、南アジア(特にインド)、中国

感染経路:狂犬病ウイルスに感染している動物(犬、猫、コウモリ等)におる咬傷(犬が90%以上)

対象者:発展途上国への長期滞在者、都市部以外への渡航者。動物と接触する可能性が高い渡航者

有効期間:定められた有効期間はない。リスクに応じて2〜5年毎に追加接種が推奨される

接種方法:1回目 初回、2回目 4週間後、3回目 6ヶ月〜12ヶ月後、4回目 咬傷・曝露時、5回目 咬傷・曝露3日後

特徴:狂犬病のない国はほとんどない。発症前の診断は不可能、発症後の致死率はほぼ100%。咬まれたらすぐに医療機関での受診が必要

 

破傷風

感染確率:世界で年間100万人が感染、30〜50万人が死亡

リスクの高い地域:発展途上国はリスクが高くなるが、破傷風菌は世界中の土壌に分布

感染経路:傷(傷がはっきりしなくても発症することあり)

対象者:発展途上国への長期滞在者。野外活動が多く、外傷を負いやすい渡航者

有効期間:10年以上

接種方法:1回目 初回、2回目 3〜8週間後、3回目 6ヶ月以上後

特徴:傷口から破傷風菌が入り、毒素によって痙攣などが起こる

 

黄熱

流行地域に1ヶ月間滞在した場合の感染確率:10,000人に1人

リスクの高い地域:サハラ以南アフリカ南アメリカ

感染経路:黄熱ウイルスを持つ人や猿を吸血した蚊の刺咬

対象者:IHR(国際保険規則)により定められたアフリカ、南アメリカの流行地への渡航者。一部、渡航先の国が要求している場合

有効期間:接種後10日〜10年まではワクチン接種証明書(イエローカード)が有効

接種方法:生ワクチン1回

特徴:IHRにより入国時にワクチン接種が求められる唯一の疾患。重症化すると肝臓・腎臓・心臓の臓器障害や出血を伴い、致死率は高い

 

腸チフス

流行地域に1ヶ月間滞在した場合の感染確率:5,000人に1人

リスクの高い地域:南アフリカ東南アジア、南・中央アジア

感染経路:感染者の便で汚染された飲食物などの経口摂取

対象者:流行地域への長期滞在者、衛生状態の悪い国や地域への渡航者

有効期間:2年以上

接種方法:不活化ワクチン1回

特徴:2歳以上が接種対象になる(不活化ワクチン)

 

髄膜炎菌

流行地域に1ヶ月間滞在した場合の感染確率:1,700,000人に1人

リスクの高い地域:サハラ以南アフリカ

感染経路:咳やくしゃみなどによる飛沫感染

対象者:流行地域への長期滞在者

有効期間:3年以上

接種方法:不活化ワクチン1回

特徴:乾季(11月〜5月)に流行、欧米では鼻孔粘膜での保菌率が高い

 

日本脳炎

流行地域に1ヶ月間滞在した場合の感染確率:1,000,000人に1人

リスクの高い地域:東南アジア、南アジア

感染経路:日本脳炎ウイルスを持つ豚や野鳥を吸血した蚊の刺咬

対象者:東南アジアの郊外、農村部への長期滞在者

有効期間:3〜4年以上

接種方法:1回目 初回、2回目 1〜4週間後、3回目 1年後

特徴:発症後の後遺症率は約4割、死亡率は約2割。有効な治療方法は未確立

 

今回は、ケニアの首都ナイロビに長期滞在し、アフリカ全土へ渡航する可能性があるため、A型肝炎B型肝炎狂犬病破傷風、黄熱病、腸チフスの6つの予防接種を受けることにしました。予防接種は健康保険の対象外ですので、各予防接種の金額と会社が負担してくれる範囲は要確認です。